あなたの 楽しみたい!をカタチに

向津具半島+農泊推進+移住支援+地域活性化 BY むかつ国で遊ぼう協議会

暮らし、関わり、進化する。

6次産業化を目指す米(マイ)ストーリー

松本道明

東京都出身。「自分にできることは何か」を求め、20歳の時に世界一周の旅に出る。帰国後、自然農法の米作りを学びながら、介護の道へ。仕事を通して「生きることは食べること」であると気付き、有機農家を支援する自然食の店で料理を学ぶ。現在、「ド」がつく田舎から何が発信できるかを模索中。

松本宮味

千葉県出身。体調不良をきっかけにマクロビオティックと出合い、食の大切さを知る。沖縄の自然食レストランや九州の農家で料理や農業を学び、東京の野草料理のお店で働くように。2011年3月11日東日本大震災を機に、自給自足の暮らしを目指して夫と向津具に移住。趣味は料理と暮らしの手仕事。

何となく導かれてきた新天地、すてきな縁に恵まれました。

東京で東日本大震災を体験した松本夫妻は、「安全な場所へ移住したい」と思いから、宮味さんの夢「自給自足の暮らし」が実践できる土地に移ろうと全国各地の情報を収集。暮らしに必要な『食べ物の確保』や『移動』が、できる限り自分たちの力で行える安全な場所を求めて半年間、西日本を中心に巡り歩くある日、九州からの帰りに石州瓦を見かけ、軽い気持ちでちょっと寄り道したつもりが、お互いに熱を出して寝込んだりして…気付いたら1カ月も滞在してしまいました。移住の決め手は地域の人との出会いでした。「先に移住されていた方が大家さんを紹介してくれたり。みなさんの親切心や歓迎が、とにかくうれしかった」

辛かった宿の準備期間から夢実現の場を手にするまで

飲食店で培ったスキルを活かしたい思いと、古民家を改装して住みたい夢。その両方が一度に叶う可能性から「民宿の開業」を決めました。物件はすぐに見つかりましたが、仮住まいの市営住宅を往復しながら、家の片付けに明け暮れる日々。「先行きが見えない中、貯えを削りながらの片付けの日々は、精神的に一番辛かった」と語る松本夫妻。先輩移住者などの手伝いも得てやっとの思いで、夢の実現の場を手にすることができました。

地域と調和の大切さを実感する

地元の人は土地をずっと守ってきた存在。移住者はそこに入れてもらう立場。

集落のしきたりや暗黙のルールがわからず苦労したことや、怒られることも多々ありました。あきらめずに歩み寄り続けたことで少しずつ受け入れられ、地域と調和することの大切さを実感しました。

自給自足から「他給他足」へ。循環の中にいるという感覚

最初はただ自給自足の暮らしができればいいと思っていました。実際に土地に根を張る生活をしてみて、ご近所さんから野菜やイノシシの肉をいただいたり、私たちも自分たちの畑で採れた野菜をお裾分けできるようになってみると、こうやって他人に供給し、他人から供給してもらう、自給自足に留まらない循環しながら成り立つ「他給他足」が信条となりました。今は地元の人が大切にしてきた農地を守りたい、次の人に引き継いでいける地域を保っていきたい思いが日増しに強くなっています。

 

 

 

 

生活をする上での収益のバランス

農家民宿での出費も含め1カ月の支出は2人で12万円程度。都会に比べれば家賃も生活コストも割安です。

収入は、1日1組限定のゆったりしたスタイルで宿を運営。2016年からはじめた自然栽培米の収入を含めて支出トントンくらい。「農家民宿だけで収益を出そうとすると、宣伝して宿泊人数を増やすなど稼働率UPが必要になる。それはやりたくない。支出が少ないから、収支優先より田舎暮らしを思いきり楽しみたい。」と道明さん。

くら里木のコンセプトは絶対に崩すことなく、2反だった田んぼを6反に増やして、自然栽培米と加工食品の販売で収益を出したいと考えています。

これからのビジョン「食にこだわった農家民宿」から「お米に特化した宿」へ

食に目がない上、以前仕事で最高峰のお米を扱っていたこともあり、お米の味にはかなりうるさい道明さん。

食べる専門から、自然栽培米をつくりはじめたら、おいしいお米を作ることにすっかり夢中です。この先は、大事に育てた自慢のお米を柱に、お米にまつわるさまざまな商品を開発して、6次産業化のモデルを作る目標を見据えています。すでに自家製の味噌や醤油は手がけ、お酢やぬか入り石鹸にもチャレンジします。松本夫妻は、自給自足への憧れから「他給他足」「循環の中にいる幸せ」へ意識が広がり、ビジョンもふくらんでいます。

2人が向津具に移住して良かったと感じる、幸せな瞬間とは?

鳥のさえずりが聞こえたり、自分たちの棚田から鳥が羽ばたく瞬間に遭遇した時、みんなで集まってご飯を食べる時など何気ない日常に一番の幸せを感じます。この数年で移住者の仲間が増え、ここでの暮らしがより楽しくなってきました。一人ひとりが持つ違う個性を発揮しながら調和しています。と道明さん。

新鮮でおいしいものが豊富にあることが何よりの幸せ

自分で1年かけて育てた自然栽培のお米の味は格別です。初めて収穫した年は、あまりのおいしさに2人で4合も食べてしまいました。お互い食いしん坊なので、食の豊かさはここに住み続けたい大きな理由かも(笑)と宮味さん。

 

移住者からアドバイス1

「何がしたくて移住するのか」「したいことができる見込みがあるのか」

移住して何をしたいか?その見込みがあるか?本当によく考えてほしい。

自然栽培や米作りに興味がある人は、とにかく一度向津具に来て、米作りの現場にふれてほしい

「米作りに関しては、土地はありますし、行政からの支援もあります。さらに土地のミネラルが豊富で、とてもおいしく元気なお米が育ちます。まずはここのお米を味わいに、気軽に来てみてください!」

向津具で暮らしたい移住希望者のお手伝いをする機会が増えてきました。

最近、問い合わせがあった家族は、地域のみんなの協力のおかげで、わずか半年間でスピード移住を果たしました。そんなこともあって、今後は移住したい人にスムーズに空き家を紹介できる移住システムを作りたいと思います。と道明さん。

移住者氏名:松本 道明(まつもと どうみょう)・宮味(くみ)

移住スケジュール

2011年3月  東日本大震災を体験し「安全な場所に住みたい」と思うように

2011年4月  西日本を中心に移住候補地(17カ所)を半年かけて見てまわる

2012年1月  石州瓦に惹かれてふらっと立ち寄った山口県で移住先を決定

向津具移住後に民宿を生業にしようと決断する

2012年5月  民宿の物件を決め空き家の大改装に着手

2015年4月  無事に改装を終え農家民宿「くら里木(くらりこ)」をオープン

2016年10月 自然栽培米の販売を開始

移住のスケジュール

家賃:年間固定資産税程度

改装費:200万円

耕作面積

田んぼ:2反からスタートして現在は6反に拡大